日本の三大流星群のひとつとして知られ、お盆前後に見られる流星群が「ペルセウス座流星群」です。
AstroArtsによれば、ベルセウス座流星群の活動が最も活発になる「極大時刻」は、8月12日23時ごろで、月が沈んむ22時頃から明け方にかけては、1時間に40個ほどの流星が観測できるという好条件となります。
すでにカメラを持っていたり、これからカメラを買いたいという方の中には、この機会には「星空の写真を撮ってみたいな」と思っている人もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では、星の撮影に最適なカメラ・レンズの中から、初心者の方が使いやすいエントリーモデルから本格的な撮影が楽しめるモデルまで予算に合わせた組み合わせをご紹介します。
「いきなりカメラ・レンズを買うにはちょっとハードルが高いな」という方におすすめのレンタルサービスについてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いている私は、カメラ歴10年以上、フォトマスター検定試験1級の資格を取得しているYOSHIです。
初心者の方がカメラを手にして写真を楽しむことができるように、カメラやレンズの話、撮影スキルなどについて紹介しています。
コンパクトで低予算 SONY ZV E-10
SONY ZV-E10は、2021年9月にSONYから発売されたAPS-Cセンサーを搭載した一眼カメラです。
今年、このカメラの後継機となるZV-E-10Ⅱが7月に発表されて、8月2日に発売されることが決まりました。
AF性能やバッテリーなど細かい点がいくつか改善されていますが、星空の撮影ではほとんど性能は変わっていないので、コストを抑えて星空の写真を撮りたいという方におすすめのカメラになります。
ポイント①:圧倒的なコストパフォーマンス
APS-Cサイズという割と大きめのイメージセンサーを使用したカメラの中でも、圧倒的に安いのがZV-E10の魅力です。
価格は、ボティ単体では約76,000円(2024年7月価格.com調べ)となっていて、他のAPS-Cセンサー搭載のミラーレスカメラと比較しても半値以下の価格で購入することができるので、初心者としても手を出しやすいカメラとして人気があります。
ただ安いというだけではなく、2,410万画素の高解像度の写真撮影や4K動画が撮影できるので、スペックにも申し分ないカメラとなっています。
ポイント②:コンパクトカメラ並みの小型・軽量感
本体重量は343gという一眼カメラとしては驚くほど軽く作られています。
重たい機材を持ち歩きたくないという方や、すっきりしたスタイリッシュな形が好きという方におすすめのカメラです。
APS-C専用のレンズと組み合わせることで、カメラだけでなく、レンズも小型化することができ、予算も抑えることができます。
おすすめレンズ:SONY E11mm F1.8
ZV-E10はSONY Eマウントレンズという種類のレンズであれば、どれでも組み合わせることができます。
Eマウントレンズは種類も豊富で、星空撮影に最適なレンズもいくつかありますので、その中でも流星群にぴったりなレンズとしてSONY E11mm F1.8を紹介します。
焦点距離11mm(35mm版換算で17mm相当)という、広い画角で撮影できるので、どこに星が流れるか予測ができない流星群の撮影では、広い画角で撮影することができると、流星群を捉える確率が上がります。
また、F1.8という明るいレンズなので、ノイズが少なく綺麗な星空を撮影するのにも向いています。
SONY純正のレンズなので、動画撮時の手ぶれ補正機能もよく効くので、動画撮影にも挑戦してみたいという方にもおすすめです。
デザイン性の高い通好みなカメラ:NIKON Zfc
NIKON Zfcは、2021年7月にNIKONから発売されたAPS-Cセンサーを搭載した眼カメラです。
星景写真家・タイムラプスクリエイターの成澤広幸さんもおすすめしています。
クラシックな外観と、通好みのデザインが人気で、特に若い世代から特に人気の高いカメラになっています。
ポイント①:クラシックなデザイン
Zfcは、フィルムカメラ時代の名機であるFM2(1982年発売)にインスパイヤされたカメラで、外観はクラシックなデザインとなっています。
グリップ部分がないスマートなボディ、当時のロゴを使ったデザインや刻印が施されたダイヤルを配置するなど徹底したデザインへのこだわりが所有欲を刺激して、若い世代や当時の1970年代から1980年代のNikonを知る中高年層を中心に人気を集めています。
ポイント②:ホーリーグレイルタイムラプスの自動設定
ホーリーグレイルとは、夕方から夜空、夜空から朝焼けなど露出(明るさ)が極端に変化する環境で、滑らかなタイムラプス表現です。
ホーリーグレイルタイムラプスは、露出の変化が激しいので、特別な設定ができるカメラが必要になるため、現在ではNIKONのカメラのみが撮影可能と言われています。
星の撮影はタイムラプス動画との相性もいいので、1枚撮りの写真には飽きてきたという人には、 Zfcで新しい作品を作り出してみるのも面白いかもしれません。
おすすめレンズ:SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
Zfcは、NIKON Zマウントレンズという種類のレンズであれば、どれでも組み合わせることができます。
SONY Eマウントレンズと比較して選べるレンズの種類が少ないというのネックになりますが、その中でも星の撮影用として人気が高いのが、SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporaryです。
特徴は、F1.4という明るさで撮影できるため、ノイズを抑えた綺麗な写真を撮ることができるという点です。
また、F2くらいまで絞ることで、四隅のコマ収差や周辺減光も目立た他なくなるので、写真の完成度も高くなります。
欠点としては、焦点距離が16mm(35mm版換算24mm)ということで、画角が狭くなってしまいます。
どこに星が流れるかわからない流星群の写真では、流星を捉える可能性が低いのは欠点ですが、その分画角の中に収まったときには、長く尾を残す迫力のある写真になる可能性もあります。
フルサイズ一眼カメラの定番 SONY α7CⅡ
ポイント①:コンパクトかつ高性能
ポイント②:星景写真用の機能が充実
α7CⅡには、星景写真に適した機能として、ブライトモニタリングという機能やタイムラプス撮影機能というものがあります。
他社のカメラでも似たような機能がありますが、実際に私もSONY機を使っていて、実に使いやすいと感じる機能です。
ブライトモニタリングは、暗い場所でも構図を合わせやすくするという機能です。
周囲が真っ暗な場所で撮影する場合、モニターを確認してもほぼ真っ暗で構図を確認することが難しいのですが、ブライトモニタリングを「入」にすると、その間強制的に感度が上がって写真が明るくなるので、構図を決めるまでの時間を短縮することができます。
タイムラプス撮影機能は、連続して撮影した写真をカメラ内で動画に編集してくれる機能で、星が流れる様子や雲海などを撮影するのに便利な機能です。
おすすめレンズ:14mm F1.4 DG DN | Art
このレンズは、整形写真用のレンズとして最高峰と言っても過言ではないほど、唯一無二の性能を備えたレンズです。
重さは1160gとカメラよりも重いので、遠くまで足を運んで撮影する場合には、あまり向かないレンズにはなります。
気軽に始めてみたいという方にはレンタルもおすすめ
APS-CサイズのZV E-10で星の撮影を始めるにしても初期投資として10万円以上は必要になってきます。
フルサイズであれば最低でも30万円以上の出費は覚悟しなければいけません。
初めてカメラを購入しようとする方にとっては、どのカメラが自分に合っているのか分からなかったり、購入まで踏ん切りがつかないこともあると思います。
そこで、おすすめしたいのが、カメラのレンタルサービスです。
好きなカメラやレンズを選んで1週間から1ヶ月ほど使えるので、実際に使ってみてカメラが楽しいと感じるかどうかや使い勝手を確かめるのにちょうど良いです。
カメラのレンタルサービスとしてGOOPASSが有名です。
このサービスでは、レンタルしてみたいカメラやレンズを選んで、使いたい期日を送れば指定した日に梱包されて届きます。
使用後は、再度梱包して着払いのシールを貼ってからコンビニに持ち込んだり集荷してもらえるので簡単に発送できます。
サブスク契約すると、期間中同じランクの商品であれば何度も交換して利用することができるので、カメラやレンズに悩んでいる人は触って比較することで、自分にあったカメラやレンズを見つけるきっかけにもなると思います。
どのカメラやレンズを選べばいいか分からない方にも、撮影シーン別に組み合わせて紹介されているのであまり迷いも少ないと思います。
まとめ
今回の記事では、星の撮影に向いているカメラやレンズをAPS-Cサイズとフルサイズに分けて紹介しました。
紹介したカメラ・レンズは初心者向けということでできる限り低予算であるということと、星の撮影に向いているかどうかという基準で選びました。
中には、もっと素晴らしいカメラやレンズがあることは十分承知しておりますが、まずは星を撮れる楽しみを知って欲しいという思いから予算のハードルは少し下げてご紹介しました。
それでもいきなり購入するのに抵抗を感じる方もいると思います。
そのような方はレンタルで初めてみるのがいいと思います。
カメラをやってみて自分が楽しいと感じるのであれば、あなたの価値観に合ったカメラを選んで購入すればいいと思っています
どのようなカメラやレンズを買っても自分がその機材に愛着が持てるかどうかは、カメラを趣味として続けていく上でとても大切な価値観です。
焦らず、ゆっくりと検討して自分にぴったりのカメラが見つかること願っています。
今回の記事があなたのカメラ・レンズ選びのお役に立てば嬉しく思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。