「FUJIFILMのカメラにはどんな特徴がありますか」
このような質問に対して、多くの方が「写真の色がいい」「デザインがかっこいい」と答えるでしょう。
フジフィルムは「フィルムシミュレーション」という再現性が高い色味が評価され、「往年のカメラのたたずまい」と称される伝統的でクラシックな外観が特徴です。
誰でも使いやすいカメラというよりも、写真を撮るときにダイヤルを操作したり、ファインダーを覗き込んだりすることが好きな、写真通の方に好まれるカメラが人気です。
この記事では、FUJIFILMのカメラが気になっている方向けに、FUJIFILMの魅力を詳しく解説するとともに、2024年4月時点でおすすめするミラーレスカメラとして、X-T5、X-S20、T-E4 の3機種をご紹介します。
この記事を読んでいただくと、FUJIFILMのカメラの特徴を理解して、目的にあったカメラを選ぶことができるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いている私は、カメラ歴15年以上、フォトマスター検定試験1級の資格を取得しているYOSHIです。
私のブログでは、初心者の方がカメラを手にして写真を楽しむことができるように、カメラやレンズの話、撮影スキルなどについて紹介しています。
写真の色を楽しむフィルムシミュレーション
写真の色味が好きでFUJIFILMのカメラを選ぶ人は、かなり多いです。
FUJIFILMは名前の通り、1934年からフィルムの開発と生産を続けてきた会社で、写真の色味には相当なこだわりを持っています。
フィルムカメラ時代に、フィルムを交換して写真の色味を変えていたのを、デジタルカメラでもできるようにしたものが「フィルムシミュレーション」です。
このフィルムシミュレーションは、撮影意図に合わせて、発色やコントラストを調整できて、色の再現性が高いのが特徴です。
選ぶフィルムシミュレーションにもよりますが、全体的にコントラストが低めの落ち着いた感じの印象で、クラシカルな感じに仕上がります。
どこか懐かしさを感じる写真が撮れるので、古いものに魅力を感じる、若い世代にハマる色味ではないかなと感じます。
色の再現性が高く、編集する必要がないくらい気持ちい写真が撮れるので、JPEG撮って出しの写真で、SNSでシェアしたり、プリントできるというのも特徴です。
そのため、編集は面倒くさいと感じている方や、外で写真を撮ってその場でシェアする機会が多い方にはフィルムシミュレーションが最適です。
愛着が湧く伝統的でクラシカルなデザイン
FUJIFILMがXシリーズのカメラを開発する時に、デザインのコンセプトとして考えたのが「往年のカメラのただずまい」というものでした。
趣味性が高くて、長く使っていても愛着が湧くデザインすることを追求した結果、クラシックな見た目であったり、操作をするのがを楽しいと感じるダイヤルの配置など、一目でカメラの良さが伝わるデザインとなりました。
シャッター音にも強いこだわりがあり、ミラーレスカメラになってシャッター音が味気ないものになっていく中、FUJIFILMのカメラは撮影していて心地いい感触があります。
また、ファインダーの見え方、ダイヤル操作のしやすさ、グリップの握りやすさなど、写真を撮る人の気持ちをよく考えて作られた設計になっていているのも特徴です。
初心者向けや万人向けのカメラというよりも、写真を撮ることが趣味で、一つのカメラを長く愛用したいという方におすすめのデザインとなっています。
APS-Cサイズという最適な選択肢
FUJIFILMのシリーズ展開としては、APS-CサイズのXシリーズと、フルサイズよりも大きいラージフォーマットのGFXシリーズがあります。
特に、Xシリーズは「フルサイズに匹敵する画質」と言われ、APS-Cサイズのカメラとして強い存在感を持っています。
Xシリーズが登場したのは、2011年に発売されたレンズ一体型のFine Pix X100が初代で、その翌年の2012年にレンズ交換式のX -Pro1から本格的にXシリーズが展開されていきました。
FUJIFILMが、ハイエンドコンパクトカメラやレンズ交換式デジタルカメラに参入するまでは、Fine Pixというコンパクトカメラが主流でした。
しかし、スマートフォンの登場で、もっと趣味性が高く本格的なカメラが求められる時代が来たことから、スマートフォンと差別化できるカメラの開発の必要性が出てきました。
FUJIFILMがデジタル一眼カメラに参入する時には、すでにフルサイズやマイクロフォーサーズの一眼カメラが市場を席巻いたことや、小型・軽量で使いやすく綺麗な写真を誰でも安心して楽しんでもらいたいというコンセプトから、APS-CサイズのXマウントが誕生しました。
FUJIFILMはフィルムメーカーとして培った色味や、独自で開発した「X trans CMOS センサー」により、APS-Cサイズでありながらフルサイズに匹敵する画質を提供していることが強みとなっています。
また、Xシリーズは、発売から10年以上が経過し、レンズの種類も評判の高買った「フジノン」レンズを継承したXマウントレンズ。そして、サードパーティレンズまで豊富に出揃い、APS-Cを主戦場としたカメラメーカーとして強い存在感を持つようになりました。
Xシリーズが登場した頃は、X-Pro1やFine Pix T100 以外にもX-A1、X-E1などの様々なラインナップがありました。
現在のラインナップは、ハイエンドモデルのX-Hシリーズ、写真機能に重点を置いたX-Tシリーズ、写真と動画を楽しめるエントリー向けのX-Sシリーズ、小型・軽量モデルのX-Eシリーズ、レンズ一体型のX -T100シリーズなどが販売されています。
X シリーズが多くのユーザーに支持されるようになると、FUJIFILMの色味をより大きいセンサーで実現して欲しいという要望が出てくるようになり、フルサイズセンサーなど色々なフォーマットを検討した結果、ラージフォーマットとなるGFXマウントが誕生しました。
写真プリントやアルバム印刷に最適
FUJIFILMは、カメラ、フィルム、プリントの総合メーカーとしても有名です。
最近は、スマートフォンなどデジテルデバイスで写真を楽しむことが多くなってきましたが、プリントしてインテリアとして飾ったり、アルバムとして大切な人に贈り物をするという楽しみもあります。
FUJIFILMのフィルムシミュレーションは、色の再現性が高く、落ち着いた雰囲気に仕上がるという特徴があります。
そのため、情緒的でどこか懐かしく感じる写真は、思い出としてプリントやアルバムに残すのにも最適です。
私は、よく自分で撮った写真を家に飾ったり、お世話になった先輩への記念品としてアルバムを作成して送ったりすることがありますが、そういう方にこそFUJIFILMのカメラは向いていると感じます。
また、FUJIFILMのフォトブックでは、「銀塩写真仕上げ」という専用の写真用紙とプリント方式により、色あせず高品質な写真に仕上げることができます。
フィルムからデジタルに代わり、写真1枚あたりの実質的な価値が低くなってきている現代だからこそ、一番大切な思い出はプリントして残すということを意識すると、写真を撮るのがもっと楽しくなってくると感じます。
価格の変動が大きい
ここからはFUJIFILMにぜひ改善して欲しい部分を解説します。
FUJIFILMは新い製品が販売されても、なかなか買えず価格が釣り上がるということがよくあります。
海外のマーケティングに力を入れていることもあり、国内の需要に対して供給できる数が少ないことが原因と言われています。
実際、2024年3月28日に発売されたX -T100Ⅵというコンパクトカメラは、発売時の価格が約28万円でしたが、直近の最高値では約45万円もの価格になっています。
また、エントリーモデルとして人気の高かった X-S10も、発売当初は約12万円でしたが、X-S20が発売されるとプレミア化して、2024年4月時点で約20万円くらいの価格になっています。
このように、FUJIFILMのカメラは、本来の適正な価格から大きく外れてしまうことがあるので、慎重に価格を見極めて購入する必要があります。
2024年 FUJIFILMで人気の高いカメラ3選
ここまで、FUJIFILMのフィルムシミュレーションの特徴や、APS-Cサイズで人気のあるXシリーズについて見てきました。
ここからは、2024年現在でFUJIFILMで人気の高いカメラを3つご紹介していきます。
写真撮影の楽しみが膨らむ、伝統的カメラ X-T5
2014年に初台X-T1がが発売されて、5世代目となるX-T5は、Xシリーズの原点である「小型・軽量・高画質」にこだわり、写真撮影に特化したカメラです。
デザイン・操作性の特徴としては、写真撮影を意識した軍幹部(上部)のダイヤルやボタンの配置や、3方向チルト式を採用した背面モニターなどがあります。
露出、シャッタースピード、ISO感度の各ダイヤルには刻印が施され、回す時の小気味よい感触が、写真家の好奇心を刺激するデザインとなっています。
背面モニターは、最近のカメラでは動画も撮影しやすいように、バリアアングル式を採用しているメーカーが多いですが、NikonやFUJIFILMなど写真に重きを置いているメーカーでは、見た目の光軸とのずれが生じるバリアングルよりも、光軸のズレがないチルト式のモニターを採用しています。
画質面の特徴としては、4020万画素の「X-TRAMS SMOS 5HR」センサーと「X-Processor 5」の画像処理エンジンが搭載され、高画質で高速処理が可能なカメラとなっています。
ディープラーニング技術を用いた「被写体検出AF」が搭載されたことで、人物、動物、乗り物などへ高精細なピント合わせと粘り強い追従性を発揮するため、シャッターチャンスや構図に集中して撮影することができます。
最大7.0段のボディ内手ぶれ補正を搭載し、夜景など暗いシーンや望遠撮影でも、手持ちでの撮影を快適に行うことができます。
X-T5は、クラシックなデザイン性があり、1台のカメラを長く愛用して使いたいという方や、とにかく写真を撮ること楽しみたいという通の方におすすめの1台と言えるでしょう。
写真も撮りたい、動画も撮りたい、初心者向けカメラ X-S20
X-S20は、2023年6月に発売されたFUJIFILMのエントリー機になります。
2020年10月に発売され、大ヒットしたX~S10の後継機にあたり、X-S10よりもAFの精度やスピード、4K60Pの動画撮影機能、最大7.0段の手ぶれ補正機能など様々な性能面で進化しています。
背面モニターはバリアアングル式を採用していたり、ボタンやダイヤルなども動画に対応した設計になっているので、FUJIFILMのカメラで動画も撮ってみたいという方にオススメのカメラです。
深くて握りやすいグリップ、236万ドットの見やすい電子ビューファインダー、最大7.0段のボディ内手ぶれ補正など、写真を撮る性能も充実しています。
初心者の方にも扱いやすいように、モードダイヤルが用意されているので、設定に自信がない方でも気軽に写真を楽しむことができます。
X-S20の特徴としては、動画、写真用の性能が充実したカメラでありながら、491g(バッテーリー含む)という小型・軽量な設計になっていることです。
趣味用のカメラとして気軽に持ち出しやすい大きさで、SIGMA 18-50mm F2.8 DC DNの小型で明るいレンズと組み合わせて使うことで、本格的な写真撮影を楽しむことができます。
シンプルすぎるという不便ささえ楽しめるカメラ X-E4
2021年2月に発売されたX-E4は、「ミニマリズム」というコンセプトで開発された、小型・軽量でコンパクトなカメラとなっています。
ボディのデザインは、レンズ一体型カメラとして人気の高い、X100シリーズと似た印象で、レンジファインダースタイルを採用しています。
ボタンやダイヤルを少なくし、フィルムカメラのようにシンプルでクラシックなデザインは、首から下げるだけでオシャレなファッションアイテムとして持ち歩くこともできます。
グリップやボタンによる凹凸がないので、カバンの中にも収まりやすく、毎日持ち歩けるコンパクトさも魅力になります。
重さは、364g(バッテーリー含む)と、APS-Cサイズのレンズ交換式カメラとしては最軽量の軽さで、XF27mm F2.8 R WRなどの小型・軽量の単焦点との相性がいいです。
ズームレンズなど筒先の長いレンズを使う場合は、別売のハンドグリップを使うことで、撮影時の安定感が増します。
見た目はシンプルですが、操作性は玄人寄りの趣味性が高いものになっていて、軍幹部(上部)でシャッタースピードや露出を変えて、レンズで絞りを変えて撮影するように設計されています。
X-E4は、ダイヤル操作などが通好みの設計であったり、単焦点レンズととの相性がいいことなどから、カメラの仕事をしている方が、趣味として普段から持ち歩くのにぴったりなカメラと言えるでしょう。
もちろん、これから本格的にカメラを始めたいという方で、オシャレでコンパクトなカメラを探している方にもおすすめのカメラとなっています。
まとめ
FUJIFILMは、写真お色味がよく、写真通に好まれる、趣味性の高いカメラメーカーです。
FUJIFILMのカメラは、「フィルムシミュレーション」という、色の再現性が高い写真が撮れることが特徴で、編集しなくてもJPEG撮って出しのまま写真を楽しむことができます。
フィルム時代のクラシックなデザインと、写真通が好むようなダイヤルの操作感があり、趣味のためのカメラとして長く使い続けられるカメラになっています。
主力製品となるXシリーズのカメラは、APS-Cサイズのイメージセンサーを採用していますが、フルサイズにも匹敵するほどの画質がありながら、APS-Cサイズの小型・軽量という特徴を合わせ持っています。
FUJIFILM純正のレンズからサードパーティレンズまで豊富に出揃っているため、APS-Cを主戦場としたカメラメーカーとして強い存在感を持っています。
FUJIFILMはプリントメーカーとしても有名で、フィルムシミュレーションで撮影した情緒的でどこか懐かしく感じる写真は、思い出としてプリントやアルバムに残すのにも最適です。
製品によっては、供給が追いつかず、価格が大きく変動することがあるので、適正な価格の見極めが必要です。
この記事を読んでいる方の中には、どのカメラを買えばいいのか分からず、とにかく情報を集めているという方もいらっしゃると思います。
カメラを選ぶ時には、センサーサイズ、性能、価格など、いくつかの条件があると思いますが、最後の決め手となるのは、フィーリングです。
写真を撮っていて気持ちいか、長く持っていたいと感じるデザインかというのは性能と同じくらい重要だと感じています。
もし、あなたがカメラを絞り込めずに悩んでいるのであれば、FUJIFILMのカメラを手に取って体感してみてください。
その時、きっとその答えが見つかるはずです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
今回の記事が皆様のカメラ選びの一助となれば嬉しく思います。