写真を撮っていて、「
いまいちピントが合わない」「
もっと自分でピントを調整したい」って思ったことはないでしょうか。
人や動物などの写真では瞳にばっちりピントが合っている写真は見ていてとても気持ちいがいいものです。
最近のカメラはオートフォーカスと言って、カメラが自動で被写体を認識してピントを合わせてくれる機能が進化していますが、どうしても思い通りのところにピントが合わない場合もあります。
ピントが合わない理由としては、被写体に対して”
フォーカスモード”の設定か”フォーカスエリア”の設定のどちらか、またはその両方が合っていないことが考えられます。
この記事では、
”フォーカスモード”と”フォーカスエリア”の種類についての解説とオススメの設定について紹介します。
記事の内容を理解して実践することで、シャッターチャンスを逃さずピントがあった気持ちいい写真を撮ることができるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を書いている私は、カメラ歴10年以上、フォトマスター検定試験1級の資格を取得しているAYUです。
初心者の方がカメラを手にして写真を楽しむことができるように、カメラやレンズの話、撮影スキルなどについて紹介しています。
また、私のブログでは一眼カメラを買おうか迷っている人が、自分にはどんなカメラやレンズが合うのかという質問にお答えしていますので、気になる方は
お問い合わせページからご連絡ください。
「フォーカスモード」は被写体で使い分ける
建物や風景のように被写体が止まっているのか、それとも動物やスポーツのように動いているのかなど、撮影状況よってピント合わせに適したモードがいくつかあります。
適切なフォーカスモードに設定することで、ピントのズレも少なくなるのでモードの種類と切り替え方を覚えておくといいでしょう。
ここでは、大きく3種類のフォーカスモードについて解説していきます。
AF-S(シングルオートフォーカス)
AF-Sは、シャッターを半押しするとピントが合った場所で「ピピッ」という電子音がしてピントが固定されます。
止まっている被写体を撮るときに敵したフォーカスモードです。
逆に動きが早い被写体の場合、ピントを合わせてからシャッターボタンを押し込んでシャッターを切るまでのわずかな時間でピントがズレてしまう場合があります。
最近のカメラはこの時間差が少なくなってきているので、動く被写体でも問題なく撮影することはできます。
日常で撮影する環境では扱いやすいフォーカスモードとなります。
AF-C(コンティニュアスオートフォーカス)
コンティニュアスは直訳すると”連続した”とか”絶え間ない”と言う意味で、
シャッターを半押ししている間は被写体の動きを追い続けてくれるフォーカスモードです。
動きがある人や動物、風に揺れている花などを撮る場合に有効です。
AF-Sと違い、ピントが合ったときに”ピピッ”という電子音は鳴りません。
フレーム内に被写体になるものが複数あると、途中で被写体を見失うこともあるので後述するフォーカスエリアを決めてすぐに、被写体にピントを合わせるように慣れておくといいでしょう。
MF(マニュアルフォーカス)
ピント合わせを自分で行うフォーカスモードです。
レンズについてる
フォーカスリングを回すことで、近いものから遠くの場所までピントを調節できます。
花などゆっくり構えて写真を撮影できるものや、星空など夜間でピントが合わせづらい被写体を撮影する場合に有効です。
ピントを調節する場合は、ピント合わせする場所を拡大したり、「ピーキング」というピントが合っているところを色で表示してくれる機能を使うと楽に合わせることができます。
「フォーカスエリア」でピント位置を素早く合わせる
フォーカスモードは被写体に適したピント合わせの設定でしたが、フォーカスエリアは
ピント合わせの位置を決めておく設定のことをいいます。
フォーカスエリアを決めておくとピントの位置合わせが早くなりシャッターチャンスを逃すことが少なくなります。
ここでも大きく3つのフォーカスエリアについて解説します。
ワイド
モニター全体の中から、
カメラが自動で被写体を検出してピントを合わせてくれます。
ピントが合うと緑色の枠で囲んで位置を教えてくれます。
背景がすっきりしていて、主題がはっきりするような構図ではほぼ正確にピント枠を合わせられます。
スナップ撮影などカメラを取り出してすぐに撮りたい場合は、初期設定をワイドにしておくと便利です。
ただし、被写体が複数あるような場合は意図したところにピント枠がいかない場合もあるので、この後解説する「中央」や「フレキシブルスポット」などの設定に切り替えるといいでしょう。
中央
名前の通り、
モニターの真ん中にフォーカス枠を固定しておく設定です。
被写体を真ん中に置くことで、素早く正確にピントを合わせることができます。
中央のフォーカスエリアで撮影する場合に注意が必要なのが、
写真が「日の丸構図」になりやすいということです。
日の丸構図が良いとか悪いというわけではありませんが、日の丸構図だけだと単調な写真になりがちです。
そのため、中央に設定する場合は「
フォーカスロック」という撮影方法を合わせて使うと効果的です。
フォーカスロックについては、後ほど詳しく解説します。
フレキシブルスポット
中央のようにモニター内にピント枠を固定する設定ですが、フレキシブルスポットを使うと
自分の好きな場所にピント枠を設定することができます。
例えば、写真でよく使われる構図の一つに「三分割構図」というものがあります。
これは、写真を縦横にそれぞれ3分割する線を引き続き、その交点となるポイントに被写体を持ってくるという撮影テクニックですが、この交点にあらかじめピント枠を配置しておくと狙った構図で正確にピントを合わせることができます。
フレキシブルスポットはあらかじめ構図が決まっている場合には有効ですが、
被写体が変わって構図を決め直す場合はピント位置を移動させる手間が発生します。
すぐにピント枠を切り替えるか、フォーカスロックを使うなどしてシャッターチャンスを逃さない対処が必要となります。
便利なフォーカスシステム
ピント合わせを素早く行うためには、前述したフォーカスモードやフォーカスエリアを有効に組み合わせることが重要ですが、知っておくとピント合わせがもっと簡単になる機能があるので、その機能について2つ解説します。
フォカースロック
AF-S(シングルオートフォーカス)で撮影する場合、シャッターを半押しするとピントが合った場所にピント枠が表示されピントが固定されます。
シャッターを半押し(ピントを固定)したままの状態でレンズの向きを変えて構図を決める撮影方法をフォーカスロックと言います。
フォーカスロックのメリットは、「中央」や「フレキシブルスポット」のようにピント枠の位置を固定していればすぐに被写体にピント合わせを行えることです。
デメリットとしては、近い被写体の場合写真を
構図を変えることにより微妙にピントがずれる場合があります。
正確にピント合わせを行いたい場合は、「中央」や「フレキシブルスポット」でそのまま撮影するか、マニュアルフォーカスで撮影することをおすすめします。
瞳AF
瞳AFは
カメラが被写体の瞳に自動的にピントを合わせてくれる機能です。
フォーカスエリアを「ワイド」にしておくと、優先的に人物の瞳(顔)にピントを合わせてくれます。
そして、この機能の便利なところはフォーカスエリアを「中央」や「フレキシブルスポット」のようにピント枠を固定していても、モニター内で顔が認識できれば、ボタン一つで人物にピント合わせをしてくれることです。
ピント位置を修正やフォーカスエリアを変更せずに人物にピントが合わせられることで、ピント合わせの時間を短縮することができるのというわけです。
最近の瞳AFはさらに進化していて、動物の顔も認識できたり、左右どちらの目に合わせるのかを選ぶこともできるようになりました。
瞳AFを有効にするためには、撮影設定で「AF時の顔/瞳設定」を「入」にしておく、「カスタムキー」の設定で、使用するボタンに「瞳AF」の機能を割り当てておくなどの準備が必要です。
設定方法については使用するカメラによって異なるので、確認しておきましょう。
おすすめの設定
ピントを素早く合わせるには、「フォーカスモード」と「フォーカスエリア」を効率よく組み合わせが重要なことが理解していただけましたでしょうか。
最後に、私がおすすめする設定についてご紹介したいと思います。
「AF-S」×「ワイド」+「瞳AF」
カメラを取り出してすぐ撮影に入りたいときにフォーカスエリアをワイドにしておくのは有効です。
ただし、ポートレートを撮りたいのに人物以外の人にピント枠が入ってしまうこともよくあります。
そのため、人物を自動検出できるように設定したり、瞳AFを割り当てたボタンを押してピント合わせの失敗を減らすようにしています。
構図などあまり細かいことを考えずに撮りたいときに使用しています。
「AF-S」×「フレキシブルスポット」+中央
桜の花びらなど、ここにピント枠を置きたいという被写体を撮影する場合は、フレキシブルスポットにすることで構図に集中することができます。
しかし、ゆっくりと構図を決めている時間がない場合もあります。
そういう場合は、ピント枠を「中央」に変更するボタンをあらかじめ割り当てておいて、モニター中央でピントを合わせた後、フォーカスロックを使って構図を変えます。
カメラにピント枠を選んでもらうのではなく、
自分でピント枠を選んで写真を作り込みたいときに使用しています。
いかがでしたでしょうか。今回の記事がみなさんのスキルアップに役立ち、ピントが合った気持ちい写真を撮ってもらえれば嬉しく思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。