リフレクション写真という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 「逆さ富士」のように水面が鏡みたいに反射した写真のことを言います。 リフレクション写真は撮影できる場所や条件もあって難易度がやや高い写真になりますが、撮影できれば自慢したくなる魅力的な写真の一つです。 そこで今回は、身近に撮影できるリフレクション写真についての紹介や撮影方法についてご紹介します。 この記事読んでいただくと、「こんな写真の撮り方があるのか」というアイデアの引き出しが多くなり、写真技術が一段と向上すると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。 この記事を書いている私は、カメラ歴10年以上、フォトマスター検定試験1級の資格を取得しているYOSHIです。 初心者の方がカメラを手にして写真を楽しむことができるように、カメラやレンズの話、撮影スキルなどについて紹介しています。
また、私のブログでは一眼カメラを買おうか迷っている人が、自分にはどんなカメラやレンズが合うのかという質問にお答えしていますので、気になる方はお問い合わせページからご連絡ください。
リフレクションはどこで撮れる?
リフレクション写真を撮ろうと思うと、富士山の河口湖やウユニ塩湖など特別な場所に行かないと撮れないし簡単じゃないよって思いますよね。 確かに、特別な場所に行かないと撮ることができないリフレクション写真もありますが、もっと身近なところにもリフレクション写真を撮るところはあります。 そもそもリフレクションは「反射」という意味なので、湖のような水面だけじゃなく、車のガラスやビルの窓、水たまりや田んぼなど反射するものが使えれば立派なリフレクション写真になります。 ここからは、リフレクション写真の例をいくつか紹介していきますので、撮り方の参考にしてください。
池・湖
富士五湖
青蓮寺湖
引用:三重フォトギャラリー
御射鹿池
引用:芽野観光ナビ
海岸・浜
父母ケ池
引用:うどん県旅ネット
天神崎
かがみの海(福岡県)
引用:かがみの海
棚田・田んぼ
長田の大楠
引用:三重フォトギャラリー
ライトアップ・夜景
曽木公園(岐阜県)
引用:土岐市観光協会
四日市コンビナート(三重県)
引用:四日市市観光協会
水たまり
なばなの里(三重県)
引用:観光三重
庭園
瑠璃光院
引用:瑠璃光院
環境芸術の森
窓・水晶玉
リフレクション写真の撮り方
リフレクション写真をうまく撮るためには、天気などの環境的な要素とカメラなど技術的な要素が必要となります。 ここでは、リフレクション写真はどういう撮影条件を選んだらいいのか、カメラの設定や構図はどうすればいいのかについて解説していきます。
撮影条件
風
窓ガラスや反射率の高い床などを使ってリフレクション写真を撮る場合は別として、水面に反射させて撮影する場合は凪の状態がベストです。 特に海辺で撮影する場合は、遮るものがなく風の影響を強く受けるので、天気予報で風速を確認しておくといいでしょう。
季節・時間帯
リフレクション写真の場合、日中の明るい時間に撮影しようとすると太陽の影響で水面がギラギラと輝いてしまう、水底が映ってしまうなど、被写体を反射させて撮影することができない場合が多いです。 そのため、撮影するのであれば早朝、夕方から夜間など太陽が低い位置にある時間帯を狙って撮影するといいでしょう。 田んぼのリフレクション写真を撮るのであれば、田んぼに水を張った直後(5月頃)がおすすめです。 稲が成長しすぎてしまうと水面が覆われてリフレクションにならない場合があります。
潮汐
浜辺でリフレクション写真を撮影したい場合は、潮汐についても事前に調べておく必要があります。 潮が引いていく「干潮」の時間帯に潮が溜まる場所を探して撮影するといいでしょう。 また、「大潮」や「小潮」などの満ち引きの周期によって干潟ができる時とできない時があるので、ホームページなどで確認しておくといいでしょう。 夕方と干潮が重なったタイミングでさらに風がない条件であれば、素敵なリフレクション写真を撮ることができるでしょう。
雨上がり
遠くに行かずにリフレクション写真が撮りたいなと思った場合には、雨上がりのタイミングで撮影に出かけるといいでしょう。 雨上がりは風も少なく、水面が落ち着いている場合が多いです。 大きめな水たまりと絵になる被写体があれば、水たまりを使ったリフレクション写真の絶好のチャンスです。 雨上がりという特別な条件でないと撮影できないため、普段は撮れない貴重な写真になるでしょう。 撮影する場合は、車などの通行には注意してくださいね。
撮影方法
ここでは、一般的な撮影方法についてご紹介します。 撮影する被写体や表現したい絵によっては設定が変わりますので、写真をたくさんとって自分にあった設定を発見するのも面白いでしょう。
構図
リフレクション写真で多く見られる構図は「二分割構図」です。 二分割構図とは、写真の上下左右を半分で線を引くように被写体を分ける構図です。 縦構図でも横構図でも、リフレクション写真の場合は高さの中央のラインに水面を持ってくるといいでしょう。 この時注意が必要なのが、しっかりと水平をとることです。 カメラでもスマートフォンでもモニターにグリッド線を出して撮影することで水平に合わせることができます。 うまく水平が取れなかった時は、編集で傾きを修正するといいでしょう。
アングル
リフレクション写真を撮る際に一番意識して欲しいのがアングルです。 カメラが高い位置だと、水面がうまく反射しなかったり、画角に収まらなかったりします。 人物など近くの被写体を撮る時は特に、水面ギリギリまでカメラの位置を下げて撮影してください。 カメラの背面モニターがチルトアップやバリアアングルになるようでしたら、積極的に活用しましょう。 スマートフォンの場合は、上下ひっくり返して撮影して、修正で回転させるといいでしょう。
f値
リフレクション写真の場合は、実際の被写体と水面に反射した被写体の両方にピントが合っている方が安定した写真になります。 f値は8〜11くらいにして全体にピントが合うようにしましょう。 また、リフレクション写真は夕方や夜間に撮影することが多いので、ISO感度とのバランスが重要です。 基本はISO感度を上げて対応しますが、あまりにも写真にノイズが出るようでしたら、f値を犠牲にしてノイズを抑えるようにしましょう。
シャッタースピード
水面が反射したリフレクション写真を撮る場合は、シャッタースピードを早くするといいでしょう。 手ぶれと水面の揺れを押さえた写真を撮るには1/125秒くらいのシャッタースピードがおすすめです。 水面の反射が少ない、カメラの手ぶれ補正機能が効いているといった場合には、もう少し遅いシャッタースピードで撮影もできます。 何度か撮影してみて、適切なシャッタースピードを見つけてみましょう。
レンズ
広い画角が必要なリフレクション写真では、広角レンズがおすすめです。 焦点距離が20mm前後のレンズであれば、実物の被写体と反射した被写体の両方を画角に収めることができますし、背景を広く写せるためダイナミックな写真になります。 広角のズームレンズもしくは広角の単焦点レンズを使って撮影するといいでしょう。 どうしても画角が足りない場合は、縦構図に変えたりパノラマ撮影にするなど手持ちのカメラで対応できる方法を試してみましょう。
まとめ
リフレクション写真を撮ることができる場所を見てみると、いろんなところに撮影ポイントがあることに気づいたのではないでしょうか。 ここで紹介した有名な撮影ポイントに行ってみるのもいいですが、身近なところにまだ知られていない絶景の撮影ポイントがあるかもしれません。 なんかリフレクションしてそうだなと思ったら、カメラを低く構えてオリジナルのリフレクション写真を探してみてください。 今回の記事が、皆さんの撮影技術の向上と新しいリフレクション写真の発見につながれば嬉しく思います。 最後までご覧いただきありがとうございました。