カメラ・レンズ

【初心者ダイバー向け】ダイビング用の人気デジタルカメラ3選

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「これからダイビングを始めるのに、最初に揃えるならどんな機材が欲しいですか?」と聞くと、多くの方が「水中カメラ」と答えるのではないでしょうか。

今は、8割のダイバーがカメラを持って海に潜ると言われていて、「ダイビング=写真を撮りにいく」というイメージが強いのではないでしょうか。
ですが、スマートフォンを海に持っていくわけにはいかないので、カメラを買おうと思っても自分に合ったカメラが何か分からないという方もいらっしゃると思います。

そこで、今回はダイビングのライセンスを取ったばかりの方におすすめするカメラについて、撮影スキルや予算に応じて紹介して行きたいと思います。
この記事を読んでいただくと、自分のダイビングスタイルや撮影スキルに応じた最適なカメラを知ることができて、読み終えた頃には次に海へ行く予定を決めていることでしょう。

この記事を書いている私は、ダイブマスターとフォトマスター検定試験1級の資格を取得し、ダイビング歴カメラ歴ともに10年以上になるAYUです。

初心者の方がカメラを手にして写真を楽しむことができるように、カメラやレンズの話、撮影スキルなどについて紹介しています。
また、私のブログではコンデジや一眼カメラを買おうか迷っている人が、自分にはどんなカメラやレンズが合うのかという質問にお答えしていますので、気になる方はお問い合わせページからご連絡ください。

水中で写真を撮るために必要な機材

水中での撮影にはハウジングが必要

防水ハウジング

引用:OMデジタルソリューション

防水でないカメラを持っていく場合にはハウジング」という防水ケースに入れないとカメラが壊れてしまうので、基本的にはカメラとハウジングをセットで揃える必要があります。
カメラの中には⚪︎m防水という、ハウジングが必要ないカメラもありますが、メーガーが規定する深度より深く潜る場合にもハウジングが必要となります。
ハウジングにも深度の制限がありますが、レジャーダイビングで潜れる40m以内の深度なら問題なく使えるものがほとんどです。
そのため、海に持って行きたいカメラに合ったハウジングが生産されているかが重要になります。

コンデジにするか一眼カメラにするか

カメラに詳しい方や既に一眼カメラを使っているという方は一眼カメラを海に持って行こうと考えているかもしれません。
結論からお話しすると、一眼カメラを海に持っていくことはハードルが高いです。

理由としては次のようなものがあります。

  • メーカー専用のハウジングがほとんどない
  • レンズごとに専用のポートが必要になる
  • 浮力のコントロールが難しくなる

メーカー専用のハウジングがほとんどない

コンデジでは、すべてのカメラではないにしろメーカーが専用のハウジングを生産していているため、比較的安くハウジングを購入することができます。
一方で、一眼カメラとなるとメーカーが専用でハウジングを作っているのはOMデジタルソリューション(旧オリンパス)だけで、あとはハウジングを作っている会社が受注生産しているため、ハウジングの価格だけで20万円から30万円近くかかります。
予算が十分にある方であれば躊躇なく買えるのでしょうが、ほとんどの方がハウジングの価格を理由にコンデジを選択してます。

レンズごとに専用のポートが必要になる

一眼カメラはレンズを交換して撮影できるのが醍醐味です。
しかし、どんなレンズもハウジングの中に治るかというとそうではありません。
一眼カメラを使用する場合は、マクロレンズか魚眼レンズを使い分けて使用するのが一般的です。
レンズを交換するのに合わせて、レンズの大きさに合わせた「レンズポート」という防水ケースが別で必要となります。
そのため、使いたいレンズがあっても「レンズポート」がなければ使用することができないだけでなく、レンズポート自体もかなりの予算が必要となります。

浮力のコントロールが難しくなる

ダイビングの講習中に「中性浮力」というスキルを習ったのを覚えているでしょうか。
水中では、浮力を安定させるためにBCDや肺の空気を利用して、浮も沈みもしない浮力のバランスをとる必要があります。
しかし、ダイビング初心者の場合浮力のコントロールが上手くいかず手や足を使ってバランスを取ろうとします。
一眼カメラはとても大きいため両手でしっかりと保持しないといけないので、中性浮力をしっかり取れるようにならないと写真どころではなく、水中であたふたしているうちにダイビングが終わってしまいます。 

これらの理由から、ダイビングを始めたばかりの方には一眼カメラではなく、コンデジをおすすめしています。
コンデジといっても、最近のカメラはとても綺麗に撮ることができるので、撮影スキルによっては一眼カメラ以上に鮮やかな写真を撮ることも可能です。

ダイビング用の人気デジタルカメラ3選

いよいよここからおすすめのカメラを紹介して行きます。
紹介するカメラについては、写真を本格的に撮りたいかやカメラについての知識や技術があるかどうかによって選ぶ基準が変わってくると思いますので、それぞれのレベルや目的、予算に応じてご紹介します。

人気No.1コンデジ Tough TG-7

Tough TG-7

引用:OMデジタルソリューション

 

ダイビングに行くとほとんどの方が持っているのがこの「TGシリーズ」のカメラです。
人気の理由としては以下のものがあります。

  • カメラとハウジングのセットでも7万円程度で買えるお値打ち感
  • 専用の水中モードによる鮮やかな色の表現
  • 最短1センチまで寄って影できる顕微鏡モード
  • ハウジングが水没しても安心の15m防水

特に人気なのが、1cmまで被写体に寄れる「顕微鏡モード」です。 ダイビングで人気の被写体に「ウミウシ」があります。
ウミウシは近づいても逃げない被写体なので、十分寄って撮影することができますが、カメラの最短撮影距離が長いと遠くからしか写真を撮ることができません。
このカメラは接触するくらい近づいても撮影できるので、マクロ撮影にはとても大きなアドバンテージがあります。

撮影サンプル

引用:OMデジタルソリューション

 

カメラ初心者の方でも扱いやすいようにボタンやダイヤルもシンプルになっていて、慣れれば簡単に設定を変更することができます。
さらにRAW(写真編集に向いたファイル形式)での撮影もできるので、後から色味やコントラストなどを調整することも可能です。

欠点というと、イメージセンサーが1/2.3インチと小型であるという点です。
イメージセンサーとは、画質を大きく左右する重要な部品で大きいものを使用しているカメラほど高画質な写真を撮ることができますが、その分カメラ自体も大きく予算も上がって行きます。
画質を追い求めるようになると、もう一回り大きいイメージセンサーを使用したコンデジが欲しくなってくるかもしれません。

画質とオートフォーカス重視 SONY RX100Ⅴ

SONY RX100V

引用:SONY

ある程度のカメラ知識があり、画質を求めるのであればSONYのRX100Vがおすすめです。
人気の理由としては以下のものがあります。

  • 1インチセンサーというコンデジの中では大型のイメージセンサーを使用
  • f1.8-2,8とボケ感のある明るいレンズ
  • 像面位相差AFとコントラストAFによる高速のオートフォーカス性能

RX100シリーズは現行モデルでRX100Ⅲ、RX100Ⅴ、RX100Ⅶの3機種が発売されています。
RX100ⅢとRX100Ⅴは形状もレンズ性能もほぼ同じなので、メーカー純正のハウジング「URX100A」が使用できます。
RX100Ⅶはレンズのズーム倍率が長いのでメーカー純正のハウジングはありません。

RX100ⅢとRX100Ⅴの大きな違いとしては、オートフォーカス性能と4K動画の撮影です。
RX100Vは従来のコントラストAFに加えて像面位相差AFというオートフォーカス機能が組み合わさったことにより、より正確に素早くピントを合わせることができます。
このため、写真だけでなく動画でもピントがズレるという心配がなくなったのは大きいです。
クマノミや回遊魚などカメラをしっかりと固定しての撮影ができない被写体などに対して楽にピント合わせを行えます。

撮影サンプル

引用:SONY

欠点としては、防水性能がないこと、被写体にあまり近づけないという2点です。
1点目は、防水性能がないので、ハウジングにトラブルがあったらカメラも壊れるリスクが高いです。
これはRX100Ⅴに限った話ではなく、一眼カメラにはすべて共通して言えることです。
壊れたことによる精神的なダメージが大きいカメラを使う場合はダイバーズ保険と合わせて物損の保険に入っておくと安心です。
2点目は、レンズ先端からの最短撮影距離は広角側で5cm、望遠側で30cmとなっています。
TG-6のように被写体にしっかり寄って撮影することができないので、マクロの被写体を撮るのには少し弱いです。
ハウジングの外側にクローズアップレンズを取り付けることで、拡大して撮影することができますが、その分ピント合わせは難しくなります。

価格はカメラ本体が約11万円ハウジングが2万〜3万円となります。
少しでも予算を下げようとするなら、カメラをRX100ⅤからRX100Ⅲに変えて使ってみるのもありだと思います。
RX100は価格が7万円〜8万円と少し安くなりますが、使用しているイメージセンサーやレンズは同じなので、取れる絵としてはRX100Ⅴと同じになります。
高速のAF性能や4K動画がなくても大丈夫と考えている方には、RX100Ⅲも十分おすすめできます。
もし使ってみて物足りなければ、カメラだけ買い替えることもできますからね。

手軽さにマクロ撮影を楽しむ RICHO WG-7

RICHO WG-7

引用:RICHO

とにかく手軽に、安く水中で写真を楽しみたいならRICHOのWG-7がおすすめです。

おすすめのポイントは次のとおりです。

  • ハウジングがなくても最大20mまでの防水性能
  • マクロ撮影に適したリングストロボ
  • 肉眼では捉えられないくらいのマクロ撮影ができる「デジタル顕微鏡モード」

このカメラの特徴としては、ハウジングなしで20mまで使えるというところです。
そのため、本体のみの価格約5万円でカメラを始めることができます。
20m防水というのは、Cカードを取ったばかりのオープンをーターダイバーが潜れる深度18mよりも深い部分になるので、ビーチダイビングであれば大きな機材もいらないので、手軽に持ち運ぶことができます。

撮影サンプル

引用:RICHO

工事現場や研究分野でも使用できる「デジタル顕微鏡モード」はマクロ撮影するにはピッタリの機能です。
リングストロボを使用することで、青かぶりしてしまう水中でも綺麗に被写体を撮影することができます。

欠点としては、拡張性がなく絵作りに向いていないことです。
ハウジングを使用しない代わりに、外付けのストロボやライトが使えません。
また、設定を変えることが少ないので、長くダイビングを続ける場合には物足りないと感じることがあるかも知れません。

まとめ

今回は、水中写真で人気のあるカメラとハウジングについてご紹介させていただきました。
これだけでも、写真を撮ることはできますが、慣れてくるともっといい写真を撮りたくなり、外付けのストロボ、ターゲットライト、コンバーションレンズ(クローズアップやワイド)などのアクセサリーが欲しくなってきます。
この辺りのアクセサリーについてそれなりに予算がかかるため、目的と予算に応じて少しずつカスタマイズしていくといいでしょう。

水中写真を撮るためには、中性浮力で体を固定したり魚が逃げないように近づくためのダイビングスキルや、ストロボの角度や光量調整、撮影モードの設定など撮影スキルの両方が必要になってきます。
さらにセルフダイビングの場合は、自分で生物を探す目と経験が必要になります。
カメラを始めたばかりの頃は、ほかの方が撮っている写真を見て一眼カメラのような高画質な写真が取れるカメラに目移りしてしまいます。
ですが、初心者のうちはダイビングになれること、水中で迷いなく設定を変えれるようになってから次のステップに進むことをおすすめします。

水中写真の撮り方について詳しく学びたい方は、MARINE DIVINGのウェブ記事も参考にしてみてください。

さて、今回は水中写真を撮るためのカメラについて代表的なものを3つご紹介させていただきました。
最近では、写真ではなくアクションカメラなど動画を撮影するカメラを持っている方も増えてきている印象です。
動画撮影のおすすめカメラについても別記事で紹介しようと思いますので、次回の記事をお待ちください。

今回の記事をきっかけに、一人でも多くの方がダイビングと水中写真に興味を持ってもらい、どこかの海で一緒に潜れる日が来ることを楽しみにしています。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。

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