撮影シーン

ホタル撮影入門:初心者におすすめの一眼カメラと基本テクニック2024

撮影シーン

皆さんは夏に撮りたい写真というと何を思い浮かべますか。

花火、星空、ひまわりなど色々あると思いますが、その中でも一度は撮ってみたいものに「ホタル」を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。

ホタルは綺麗な水辺に住んでいるため都市部に住んでいる方は見る機会も少ないですし、観察できる時期や条件も限られています。

さらに、撮影するためには暗い場所でも撮影できるカメラや、撮影の知識も必要になるため、もしホタルの写真を自分で撮ることができたら嬉しいですよね。

そこで、この記事では今年こそホタルの写真を撮りたい」という方に、ホタルを撮影するための基礎知識やホタルの撮影に向いているカメラを紹介します。

この記事を書いている私は、カメラ歴10年以上、フォトマスター検定試験1級の資格を取得しているYOSHIです。 初心者の方がカメラを手にして写真を楽しむことができるように、カメラやレンズの話、撮影スキルなどについて紹介しています。

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ホタルを鑑賞できる時期と条件

ホタルの撮影方法を説明する前に、ホタルはいつ頃観られのか、どういう時に多く飛ぶのかについて解説します。

ホタルを鑑賞できる時期

日本に多く生息しているホタルにはゲンジボタルヘイケボタルヒメホタルなどの種類が多く観られます。

一般的には5月下旬から7月上旬まで見られるようですが、地域によってピークが異なること、ホタルの寿命が1週間前後と短いことから鑑賞する場所のリサーチは必須となります。

とはいえ、なかなか鑑賞スポットなどは公にされていないことやデータが少ないこともあるので、テーマパークや公共施設が公開している最新情報や市町村が開催しているホタルの鑑賞ツアーなどを探して、時期や場所の検討をつけるといいでしょう。

ホタルは一晩中飛んている訳ではなく、一晩に3回飛び回るとされています。

一番多く飛ぶ時間帯は19時から21時の間となっているので、暗くなる前に移動を完了してロケハンをしておくといいでしょう。

あと、雨が降った翌日なんかも飛びやすいと言われています。

ホタルを撮影するために必要な機材

では、まずホタルの撮影に必要な機材として、カメラ、三脚、レリーズの3つについてご紹介します。

レリーズなどは代用できるものもありますが、ホタルの撮影だけじゃなく花火や星の撮影など他の撮影シーンでも使えるので、今後もカメラを趣味として続けていくのであれば購入を検討しましょう。

カメラ

スマートフォンでも設定を変えればホタルを撮ることはできますが、暗い場所での撮影となると画像がザラザラして粗くなる「ノイズ」が発生しやすくなります。

画像編集でノイズを減らすこともできますが、専用のソフトが必要になるうえ、効果も限定されてしまいます。

最も効果的な方法が、イメージセンサーの大きいカメラを使用することです。

イメージセンサーとは、「カメラの心臓部」と言われる部品で、カメラに入ってきた光を画像に変換する役割があります。

このイメージセンサーの受光面積が広ければ広いほど、暗い場所でもたくさんの光を取り込めるので、ノイズの発生を抑えることができるのです。

一眼カメラで多く使用されているイメージセンサーの規格は、大きい順に「35mmフルサイズ」、「APS-C」、「マイクローサーズ」となっています。

イメージセンサーが大きくなればなるほど値段も高くなる傾向があるので、予算に合わせて購入してみてください。

どんなカメラを選んだらいいかわからないという方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

三脚

 

ホタルを撮影するためには、手ブレを抑えたり、構図を固定するために三脚が必要です。

細くて小さい光を捉えたり、蛍が飛んでいく軌跡を残すため、10秒前後のシャッタースピードで撮影する必要があります。10秒間も手でカメラを持って撮影していたら、必ず手ブレが発生してしまいます。

また、1枚の写真にたくさんの蛍が飛んでいるように見せるためには、同じ構図で何十枚から何百枚と撮影して合成するという「比較明合成」という方法で写真を作成する必要があるので、同じ構図でシャッターを切り続ける必要があります。

こうした理由から、ホタルを撮影する上で、「三脚」は必須の機材になります。

三脚を選ぶ際には、カメラの耐荷重に注意してください。

一眼カメラを使用するなら重量のある三脚でないと倒れる危険があります。

値段も数千円〜数万円と幅が大きいのでどれを買おうか迷うかもしれませんが、初めて買うのであれば、耐荷重が足りて、足が伸ばせるものであれば安いものでも十分でしょう。 

レリーズ

レリーズとは、シャッター用リモコンのことです。

前述したとおり、ホタルの撮影は手ブレさせないようにする必要があるのですが、カメラのシャッターボタンを押すだけでもブレにつながってしまいます。

そのため、直接カメラのシャッターボタンを触らなくてもいいようにレリーズが必要となります。

カメラの横の蓋を開けるとUSBポートがあるので、そこにレリーズのコードをつなぎます。

メーカーの純正品にこだわりがなければ安いレリーズでも問題ありませんが、レリーズを購入する際にはカメラに適合するか確認してから購入するようにしましょう。

レリーズがない場合は、カメラとスマートフォンをアプリ接続して、スマートフォンをレリーズの代わりに使ったり、カメラのインターバル撮影機能を使うことで手ぶれを抑えることができますので、応用技として覚えておくといいでしょう。

ホタル撮影時のカメラの設定

ホタルの撮影にチャレンジしたことがある方は分かるかもしれませんが、撮影方法を知らないと。まともな写真を撮影することはできません。

まずは、基本のカメラの設定を覚えてから撮影に挑戦しましょう。

ポイントとしては、「露出設定」「フォーカス設定」です。

露出設定

「露出」とは、写真の明るさのことを言います。

ホタルが見られる場所は、暗い場所が多いので、写真が明るく撮影できるようにカメラの設定を変えないと、ただ真っ暗な写真で終わってしまいます。

カメラの明るさを変えるためには、「F値」、「シャッタースピード」、「ISO感度」を調整する必要があります。

この3つを調整して露出を上げるためには「マニュアルモード」で撮影することが基本になります。

また、マニュアルモードで「F値」、「シャッタースピード」、「ISO感度」を固定することで、1枚撮るごとに写真の露出が変わるといった心配がなくなります。

「F値」、「シャッタースピード」、「ISO感度」がよく分からないという方や、マニュアルモードはどう使うのかを詳しく知りたい方は、下記の関連ページをご覧ください。

初心者のうちは、次の要領で設定を合わせてみてください。

  1. F値は「F2.8」や「F4」など、レンズの性能に合った開放f値を使う
  2. シャッタースピードは8秒〜10秒くらいに設定する
  3. 最終的な露出(写真の明るさ)はISO感度で調整する

ISO感度を上げればあげるほど、写真は明るくなりますが、その分ノイズも増えてしまいます。

そのため、ISO感度は背景の木々、川、建物などがぼんやりそれと分かるくらいの明るさを目安に調整してみてください。

フォーカス設定

ホタルは飛び回っていますし、何匹も飛んでいるので、ピントを合わせることは困難です。
葉っぱに止まっているホタルをクローズアップして撮影するという写真は別として、よく目にするホタルがいっぱい飛んでいるような写真を撮る時には、背景にピントを合わせる撮影方法が基本になります。
背景というのは、木の幹や川、構造物などにあたります。
通常は、カメラが自動でピントを合わせてくれるオートフォーカスを使ったほうが便利ですが、暗い場所ではオートフォーカスが効かない場合があります。
そんな時は、マニュアルフォーカスを使って撮影します。
メニューから、フォーカスを「マニュアル」に変更して、レンズのピントリングを回してピントを調節します。

連写設定

ホタルの写真を見ると一度にたくさん飛んでいるように見えますが、実際は同じ構図で何十枚から何百枚も写真を撮って、合成する「比較名合成」という方法を使っています。

そのため、ホタルがカメラの画角に入ってきたタイミングでシャッターを切らなければいけないのですが、タイミングを測って撮影することは現実的には難しいです。

そこで、カメラの撮影設定を「連写」にしておいて、たまたまホタルが入ってきた写真を狙うという方法で撮影します。

この時役に立つ機材が、先ほど紹介した「レリーズ」です。

レリーズでシャッターを押したままの状態で固定しておけば、その間ずっと連写が続きますので、撮影が終わったら固定を解除すれば撮影完了です。

レリーズがないという方は、カメラの設定から「インターバル撮影」という機能を使ってみましょう。

インターバル撮影を使うと、撮影枚数や撮影間隔を自分で決めることができるので、あとは、露出を設定してシャッターボタンを押すだけです。 

ホワイトバランス

ホワイトバランスは、白色蛍光灯(約3500K)あたりに固定しておくといいでしょう。
オートにしてもいいですが、撮ってる最中にホワイトバランスが変わってしまう場合があるので、固定しておいた方が安心です。
編集ソフトを使用できる方は、写真を取り込んだ後自分の好みの色に微調整するといいでしょう。

 

写真の編集方法

前述したとおり、ホタルの写真は何枚も連続して撮った写真を比較明合成することが基本になります。

比較明合成するためのソフトは、Photoshopなどいくつかありますが、無料で使えて簡単に比較明合成できる「SiriusComp(シリウスコンプ」というソフトが便利です。

元々は星景写真で星の軌跡を作るためのものですが、ホタルや花火など比較明合成できる被写体であればなんでも使えます。

詳細な使い方は、別の方がウェブサイトや動画を作成していますので、リンクを貼っておきます。

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初心者向けのおすすめ一眼カメラ

ホタルの撮影に挑戦してみたいという方、一眼カメラを始めてみようという方に、初心者向けのおすすめ一眼カメラを紹介しますので、参考にしてみてください。

また、私のブログでは一眼カメラを買おうか迷っている人が、自分にはどんなカメラやレンズが合うのかという質問にお答えしていますので、気になる方はお問い合わせページからご連絡ください。

OLYMPUS PEN E-P7

PEN E-P7は、カメラ初心者向けに設計されたPENシリーズの最新モデルで、デザイン性の高いクラシカルなカメラになります。

本体は、バッテリー込みで337gと、一眼カメラとしては最軽量の軽さと、カメラの凹凸が少ない、スタイリッシュな形でカバンに入れてもかさばらないので、気軽に持ち出すことができます。

PEN E-P7をおすすめする理由としては、カメラ内で比較明合成の処理までしてくれる「ライズコンポジット」機能があります。

この機能は、連写撮影している間に明るさが変わったところを次々に追加していく機能で、ホタルの光が増えていくのをモニターで確認して、自分の好きなタイミングで撮影を終わらせることができるというものです。

ライブコンポジットは、ホタルだけではなく、花火の撮影星の撮影にも使えるOLYMPUSならではの便利機能になります。

E-P7は、小さくて見た目もクラシカルなデザインなので、ファッションアイテムとしても人気が高いカメラになります。

そのため、ハンドストラップを使って手首に巻いて持ち歩いたり、本革性のオシャレなショルダーストラップを使って首からかけるなど、自分らしくアレンジして楽しめます。

レンズキットの ED14-42mm F4.5-5.6 EZ という標準ズームレンズでも撮影を楽しむことができますが、E-P7はが使用しているイメージセンサーはマイクロフォーサーズという少し小さめのイメージセンサーになるので、ノイズが目立ちやすいというデメリットがあります。

そのため、開放F値の小さい単焦点レンズと組み合わせることで、光を効率よくカメラに取り込んでノイズを減らすことが効果的です。

E-P7でホタルを綺麗に撮影したい場合には、LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7などの単焦点レンズが向いています。 

SONY ZV-E10

ZV-E10は、2420万画素のAPS-Cサイズという大きめのイメージセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラになります。

このカメラは、YouTubeの撮影用のカメラ手持ちで自撮りするためのカメラとしても人気となったカメラです。

動画撮影に特化しているので、ファインダーがなかったり、ダイヤルやボタンが少ないといった外観的な特徴がありますが、写真撮影も十分楽しめます。

ZV -E10の人気の理由は、安くて、軽い、そして画質がそこそこいいということです。

カメラ単体では75,000円と他のメーカーと比較しても圧倒的に安いので、初めてのミラーレス一眼カメラとしてもおすすめです。

また、バッテリー込みで343gと軽いため、手軽に持ち出せるだけでなく、小型ジンバルにのせて撮影することができるというのも魅力です。

対応するレンズも多く出ているので、開放F値が低くてホタルの撮影に適したレンズも揃っているのが特徴です。

ZV-E10でホタルを綺麗に撮影したい場合には、18-50mm F2.8 DC DN10-18mm F2.8 DC DN などのズームレンズが向いています。 

まとめ

ホタルの撮影は、撮影場所の捜索、必要機材の購入、カメラの設定、編集知識など様々な知識が必要となる難しい被写体です。

しかし、撮影して写真を公開できるように仕上げることができたらとても達成感のある魅力的な被写体とも言えます。

カメラやレンズを揃えたら、近くでホタルを撮影できる場所を探して見てください。

ただし、注意点としてはホタルは生き物なので明るい光や虫除けスプレーなどは使わないこと、怪我をしないように明るいうちからロケハンしておくということを覚えておきましょう。

今回の記事が皆さんの撮影技術向上につながって、満足いく写真の一助になれば嬉しく思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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