登山で山小屋泊やテント泊をした時に見た、満点の星空を写真に撮りたいと思ったことはないでしょうか。
私は、涸沢に行った時に初めてテント泊登山をしたのですが、ダイナミックな自然の山々と肉眼でも天の川とわかるくらいの星の多さに感動して、毎年テント泊登山に行くようになりました。
このように、普段見ることのできない数の星や天の川を大自然の中で見ることができるのも、登山ならではの楽しみですよね。
そんな満点の星空と地上の景色を一緒に撮影する「星景写真」を撮るためには、ミラーレス一眼カメラが最適です。
この記事では、ミラーレス一眼カメラが登山や星景写真に向いている理由や、おすすめのミラーレス一眼カメラを3つご紹介します。
合わせて、星景写真向けのレンズとしておすすめの「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」をそれぞれ紹介しますので、これから登山用のカメラを購入される方は、ぜひ参考にしてください。
この記事を書いている私は、カメラ歴10年以上、フォトマスター検定試験1級の資格を取得しているYOSHIです。 初心者の方がカメラを手にして写真を楽しむことができるように、カメラやレンズの話、撮影スキルなどについて紹介しています。
また、私のブログではコンデジや一眼カメラを買おうか迷っている人が、自分にはどんなカメラやレンズが合うのかという質問にお答えしていますので、気になる方はお問い合わせページからご連絡ください。
登山で使える星景写真向けのカメラ・レンズとは
登山をして、山小屋などの宿泊地から星景写真を撮影しようとすると、「星景写真」と「登山」両方に適したカメラやレンズを選ぶ必要があります。
レンズ交換式のミラーレス一眼から選ぶ
星景写真のように、暗い場所で広い景色を撮影する場合には、レンズ交換式のミラーレス一眼から選ぶことが基本です。
なぜレンズ交換式のミラーレス一眼が星景写真に向いているかと言うと、それは「イメージセンサーが大きい」ことと、「明るいレンズを使用できる」という2つの大きなメリットがあるからです。
ミラーレス一眼カメラのメリット①:イメージセンサーが大きい
イメージセンサーは、「カメラの心臓」と言われる重要な部品で、カメラに入ってきた光を電気信号に変換して、画像にする役割があります。
このイメージセンサーが大きいほど、暗い場所でも光を受け取る面積が増えるので、画質が向上します。
一般的なスマートフォンで使用されているイメージセンサーは、1インチ(1型)以下のサイズになるものが多いので、APS-Cサイズやフルサイズのイメージセンサーを使用しているミラーレス一眼カメラと比較すると画質が劣ります。
最近のスマートフォンの写真が綺麗に見えるのは、AIが自動で補正を行ってくれるからであり、もともとの素材としては、センサーサイズが大きいほど高画質となります。
ただし、イメージセンサーが大きくなると、その分カメラやレンズも大きく、重くなるため、求める画質とのバランスを考慮して選ぶことが大切です。
ミラーレス一眼カメラのメリット②:明るいレンズが使える
ミラーレス一眼カメラの特徴は、撮影目的に最適なレンズに交換して撮影できるということです。
星景写真のように暗い場所で撮影する場合には、少ない光をなるべく多く取り込む必要があります。
そのために必要なのが「明るいレンズ」と言われる、「開放F値」が2.8以下のレンズになります。
「F値」というのは、光がレンズの中を通る際の穴の大きさを数値化したもので、F値が小さいほど光を多く取り込むことができます。
そして、「開放F値」とは、F値をどれだけ小さく設定できるかを表したもので、開放F値が低いレンズほど画質が良く、優秀なレンズといえます。
つまり、星景写真でレンズ交換式のミラーレス一眼を選ぶというのは、光を多く取り込める「明るいレンズ」を使って、受光面積の広いイメージセンサーにより画質を向上させることができるので、スマートフォンやコンパクトカメラと比べるて有利になるということです。
小型・軽量なカメラやレンズを選ぶ
登山にあわせて星景写真を撮影しょうとすると、どうしてもテントなど宿泊に伴う機材が必要となってきます。
その中で、カメラやレンズ、三脚やモバイルバッテリーなどカメラ関連の機材も持っていこうとすると総重量を気にしなければいけません。
そこで重要になるのが、カメラやレンズの重さです。
一つの目安として、カメラとレンズの組み合わせで1kg以下にするという考え方がありますが、「画質」や「防塵防滴性能」などカメラに求める性能とのバランスもあるので、一概に小型・軽量であればどのカメラでもいいというも訳ではありません。
「画質を」優先するのであれば、APS-Cサイズやフルサイズなどイメージセンサーが大きいカメラを選んだ方が有利ですが、その分カメラやレンズの重さが上がります。
冬山登山や雨の中でも登山をする人であれば、防塵防滴性能や堅牢性が高いカメラを選んだ方が安心ですが、その分カメラの重さも上がってきます。
さらには、カメラやレンズを揃える「予算」や「使用できるレンズ」という条件も加わるので、このバランスを考えてカメラやレンズを選ぶのはなかなか難しいところがあります。
この記事の後半には、おすすめのカメラやレンズをどのような基準で評価しているのかという点にも触れているので、カメラやレンズを選ぶ上での参考にしてみてください。
登山と星景写真に最適な一眼カメラとおすすめの広角レンズ
ここまで、登山や星景写真に必要なカメラやレンズの条件について解説してきました。
ここからは、登山と星景写真という両方の目的を達成するために最適な一眼カメラと広角レンズの組み合わせについてご紹介いたします。
この記事では、登山と星景写真に最適な一眼カメラとして、「OMデジタルソリューションズ OM-5」、「SONY α7C2」、「FUJIFILM X-T5」の3機種と、それぞれのカメラに最適な広角レンズを、「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」に分けてご紹介します。
単焦点レンズとズームレンズは何が違うの?という方は、こちらの記事を参考にしてください。
>>単焦点レンズとは?特徴やレンズ選びのポイントをご紹介
OMデジタルソリューションズ OM-5
OM-5は、2022年10月、OMデジタルソリューションズ(旧 OLYMPUS)からに発売されたカメラになります。
① 1gでも機材を軽くして持ち歩きたい人
② 雪山登山などハードな環境での撮影を想定している人
③ 写真をメインで撮りたい人
OM-5の特徴としては、「1gでも機材を軽くしたい」という方に最適な小型軽量のボディと、雨の中でも安心して使える防塵・防滴性能で、縦走登山など少しでも荷物を軽くしたい人に最適な一眼カメラになります。
カメラの重量は、バッテリー込みで414gと軽量化されているので、握力の少ない女性でも片手で撮影できる軽さになっています。
防塵防滴性能は、IP53の規格をクリアしており、暴風雨や−10度の低温にも耐える設計になっているので、冬山登山する人にもおすすめです。
同じくIP53の規格をクリアしているOLYMPUSのPROレンズと組み合わせることで、雨が降っても気にせず携行することができます。
OM-5は、マイクロフォーサーズという規格の小さいイメージセンサーを使用しているので、カメラやレンズを小型化できるというメリットがあります。
そのため、「防塵防滴性能」や「重さ」という点で考えた場合には、最適な選択になります。
さらに、OM-5には、星景写真をサポートしてくれる機能として「星空AF」と「Lvブースト」があります。
星景写真を普段あまり撮らない人が苦労するのが、星のピント合わせです。
通常は、マニュアルフォーカスを使って、自分で星にピントを合わせに行くのですが、「星空AF」を使えば簡単で高精細にピントを合わせることができます。
構図を決める際に役立つ機能が「Lvブースト」で、通常モードでは暗くて状況を確認しづらい天の川や山の稜線も、表示画像を明るくすることで構図を決めやすくなります。
星景写真だけでなく、登山中に写真を撮ったりすることが多いのであれば、手ぶれ補正機能をチェックする必要があります。
OM-5には、ボディとレンズとの組み合わせで最大で7.5段の強力な手ぶれ補正機能があるため、しっかりとカメラを構えられない場所での撮影や、野鳥など望遠撮影をしていみたいという方にも、手ブレを抑えた解像感の高い写真を撮影することができます。
価格は、ボディ単体で約135,000円で、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROのレンズキットで約165,000円になります。(2024年5月現在)
フルサイズセンサーを搭載した一眼カメラが20万円から30万円近くするのと比べると価格も低く抑えれるので、初めて一眼カメラを購入する人にとっては、価格の面ではハードルが低いカメラになります。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROのレンズは、単体で購入すると約65,000円になるので、はじめて一眼カメラを購入するという方は、まずはキットレンズで購入して、2本目のレンズとして広角レンズを購入されることをおすすめします。
欠点としては、イメージセンサーが小さい分、画質にこだわりたい人にとっては、少し物足りないと感じてしまうことがあるかもしれません。
その場合は、APS-Cサイズやフルサイズのカメラへの買い替えを検討する必要があるので、画質を優先する場合には、α7C2などフルサイズカメラの中でもコンパクトなカメラを選択するといいでしょう。
OM-5におすすめの広角レンズ①:LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH
LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPHは、Panasonicから2022年6月に発売された広角単焦点レンズで、DGP imaging 2023 で金賞を獲得した評価の高い広角レンズです。
「世界のライカ」の厳しい光学基準をクリアしたレンズで、広角9mm(35mm換算で18mm)と広い画角で撮影できて、F1.7という開放F値が使用できるため、星景写真に最適な明るいレンズとなっています。
特徴は、130gという驚きの軽さです。
OM-5と組み合わせても約550gとなるので、他に持っていきたいレンズがあったとしても、重さを気にすることなく持っていくことができる軽さです。
最短撮影距離が9.5cm、0.5倍のハーフマクロ撮影も可能なので、高山植物や苔などを寄って撮影したい場合にも使えるレンズになっています。
防塵・防滴仕様でマイナス10度の耐低温設計になっているので、冬山登山でも安心して使えます。
レンズの前面には55mmのフィルターが装着できるため、ソフトフィルターを使って星を大きく写したり、NDフィルターを使って、滝や渓流の流れを強調した写真を撮影することもできます。
価格は、約50,000円と、フルサイズのレンズに比べると半額以下の価格で購入することができる手頃さ魅力の一つです。(2024年5月現在)
OM-5におすすめの広角レンズ②:LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.は、Panasonicから2017年5月に発売された広角ズームレンズで、DGP imaging 2018で特別金賞を獲得した評価の高い広角レンズです。
焦点距離が8mmから18mm(35mm版換算で16mmから36mm)まで焦点距離を変えることができて、焦点距離8mmで撮影した場合F2.8という明るさで撮影できるレンズになります。
特徴は、35mm版換算で16mmという広い画角で撮れる腕、標準域ではテーブルフォトなどで最適な36mmまで使えるという点で、この1本を持ってけば、望遠レンズ以外は一通り撮影できてしまうという使い勝手の良いレンズです。
LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPHと同じく、防塵・防滴仕様でマイナス10度の耐低温設計になっているので、冬山登山でも安心して使えます。
レンズの前面には67mmのフィルターが装着できるため、ソフトフィルターを使って星を大きく写したり、NDフィルターを使って、滝や渓流の流れを強調した写真を撮影することもできます。
重さも315gと軽くて使いやすく、デザインもおしゃれなのでOM-5とのバランスもちょうどいい感じです。
価格は、約110,000円で、LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPHと比較すると倍くらいの価格となってしましますが、LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPHよりもさらに広角で撮影したいという場合や、標準ズーム域でも撮影したいという方にはおすすめのレンズになります。
SONY α7C2
α7C2は、2023年10月、SONYからに発売されたフルサイズセンサーを搭載したコンパクトなカメラで、2023年中に最もよく売れたカメラになります。
① フルサイズカメラをコンパクトに持っていきたい人
② 写真も動画も両方撮りたい人
③ たくさんのレンズから選びたい人
α7C2の特徴は、3300万画素のフルサイズセンサーを搭載したハイスペックなカメラでありながら、514g(バッテリー込み)という最軽量の軽さを実現しているという点です。
α7C2の「C」はコンパクトの頭文字をとっており、SONYのフルサイズミラーレス一眼の中でも小型・軽量化されたシリーズになります。
前から見るとファインダーが搭載されていないように見えますが、背面左上に配置されており、ボタンやダイヤルなどが出っ張らず、全体的にスリムに収まっています。
α7C”に搭載されている星景写真向けの機能としては、「ブライトモニタリング」や「タイムラプス撮影」機能があります。
「ブライトモニタリング」は、先述したOM-5の「Lvブースト」と同じような機能で、構図を合わせやすくするという機能です。
周囲が真っ暗な場所で撮影する場合、モニターを確認してもほぼ真っ暗で構図を確認することが難しいのですが、ブライトモニタリングを「入」にすると、その間強制的に感度が上がって写真が明るくなるので、構図を決めるまでの時間を短縮することができます。
「タイムラプス撮影」機能は、連続して撮影した写真をカメラ内で動画に編集してくれる機能で、星が流れる様子や雲海などを撮影するのに便利な機能です。
4K画像でのタイムラプス動画が撮れるほか、カラーサンプルやフレームレートも変更できるので、写真のRAW現像のように星空の色味を補正することも可能です。
その他にも、α7C2には自然な色味を再現して撮影できる「クリエイティブルック」という機能や、「AIプロセシングユニット」というAIによる高精細で追従性の高いAF機能が備わっているので、撮影の失敗や写真の編集の負担が少なくなります。
写真撮影では、7.0段のボディ内手ぶれ補正が搭載されていたり、動画撮影では、「アクティブモード」という電子手ぶれ補正が搭載されているので、撮影時の手ブレを強力に抑えてくれるという強みもあります。
α7C2をはじめとしたSONYのカメラをおすすめする最大の理由は、選択できるレンズの多さにあります。
α7C2は「Eマウント」という規格になりますが、この「Eマウント」のレンズは、SONYからだけではなく、TAMRONやSIGMAといったレンズ専用メーカーも製造・販売しているため、レンズの種類が充実しています。
特に、F2.8よりも開放F値が低くて、焦点距離が20mm以下で撮影できるレンズというのは、どのレンズマウントも数えるほどしか選択肢がないのですが、Eマウントは単焦点レンズ、ズームレンズを合わせると10本以上選択できるレンズがあるので、開放F値、焦点距離、予算などから自分に合ったレンズを選べるというのが最大のメリットです。
価格は、ボディ単体で約250,000円と、フルサイズ一眼カメラの中では比較的安く、性能に対してのコストパフォーマンスの高いカメラと言えるでしょう。
もう少し安くてお値打ちなカメラをお探しの場合は、前作のα7Cも人気です。
α7C2の欠点としては、防塵・防滴性能が心配なところです。
α7C2は、ボディにマグネシウム合金が採用されていて、堅牢性の高いカメラになっていますが、防塵・防滴性能についてはそれほど強くないので、登山中に雨が降ってきた場合にはザックの中にしまってなるべく濡らさないよう気を扱う必要があります。
フルサイズカメラで防塵・防滴性能の高いカメラを考えるのであれば、Nikonのカメラが候補となりますが、どのカメラも重量があり、星景写真のレンズの選択肢が少ないので、おすすめしづらいところです。
α7C2におすすめの広角レンズ①:FE 14mm F1.8 GM
FE 14mm F1.8 GMは、2021年4月にSONYから発売された、「GMシリーズ」の広角単焦点レンズです。
特徴は、焦点距離14mmという超広角の画角で、開放F1.8で撮影できるという点です。
「GMシリーズ」はEマウントのレンズの中でも、最高レベルの解像性能を有するレンズに付される称号で、開放F値からシャープに解像してくれるため、星景写真に最適なレンズとなっています。
14mmという画角は、地上の景色と星空も広く映すことができるので、「テント場と天の川を1枚の写真に収める」というような写真を撮ることも可能です。
前玉が球面状に飛び出る「出目金」レンズになるため、前面にソフトフィルターを装着することはできませんが、レンズマウント側にシートタイプのフィルターを取り付けることができるのもポイントです。
重さは460gとやや重めですが、α7C2と組み合わせても1kg未満で持ち出すことができます。
欠点が少ないレンズではありますが、あえて言うのであれば、「出目金」レンズになるので、レンズ前面に保護フィルターを装着することもできません。
そのため、登山中はレンズカバーをしっかりしておかないと、レンズ本体に傷が付く可能性が高いので注意が必要です。
価格は、GMレンズということもあり、約185,000円と高価なレンズになります。
もう少し安くていいレンズを探している方には、FE 20mm F1.8 Gというレンズもおすすめです。
私も愛用しているレンズで、焦点距離が20mmと画角が少し狭くなってしまいますが、価格は約120,000円とFE 14mm F1.8 GMの2/3ほどの価格で購入できて、重さも373gと軽くて使いやすいです。
α7C2におすすめの広角レンズ②:FE 16-25mm F2.8 G
FE 16-25mm F2.8 Gは、2024年4月にSONYから発売されたばかりの、広角ズームレンズです。
特徴は、16mmから25mmまでの広角域F2.8という開放F値で撮影できて、409gと小型軽量な設計になっていることです。
409gという軽さは、フルサイズの広角ズームレンズの中では最軽量の軽さになっているので、荷物の重量を少しでも減らしたい方にもおすすめです。
動画撮影にも適したレンズで、ズームしてもあまり鏡筒が伸びないため、ジンバルに乗せても安定しやすく、SONY純正レンズのためフォーカスブリージングも少なく、アクティブ手ぶれ補正も効きやすいという特徴があります。
そのため、登山の様子などをYouTubeに配信するVlog撮影を考えている方には最適のレンズになります。
画質は、GMシリーズのレンズに迫る高い解像感があるので、性能にこだわりたい人にもおすすめのレンズです。
価格は、約165,000円になりますが、「GMシリーズ」のFE16-35mm F2.8 GMⅡ(約280,000円)と比べると。10万円以上も安く購入することができます。
もう少し安くていいレンズを探している方には、SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN というレンズもおすすめです。
重さは450g、レンズの長さが100mmとサイズ感が少し大きくなりますが、約110,000円と55,000円ほど安く購入できるうえ、画質も十分素晴らしいので、純正レンズにこだわりがなく、多少大きくなっても大丈夫という方にはこちらでもいいでしょう。
FUJIFILM X-T5
X-T5は、2022年11月、FUJIFILMからに発売されたAPS-Cセンサーを搭載したコンパクトなカメラです。
① 画質や色味にこだわりがある人
② 雪山登山などハードな環境での撮影を想定している人
③ 写真をメインで撮りたい人
X-T5の特徴は、約4020万画素のAPS-Cサイズのイメージセンサーを使用した高画質で、FUJIFILMならではの独特な色味を楽しめるところです。
FUJIFILMは、「フイルムシミュレーション」という、フィルムで撮影したような再現性の高い色味に人気があり、撮影意図に合わせて好みのシミュレーションに変えて写真を楽しむ機能に人気があります。
FUJIFILMの色味について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
>>「FUJIFILMのカメラの特徴 写真通にも選ばれる色味とデザイン」
X-T5は、FUJIFILMのカメラの中でも高い堅牢性と防塵防滴性能が備えられており、56点のシーリングを施した防塵・防滴・耐低温構造により、雨の中でも、気温の低い冬山でも活躍してくれるタフなカメラです。
星景写真向けの機能としては、「低照度優先」という機能があります。
これは、星空を撮影するような暗い場所でも、構図を合わせやすくするという機能です。
周囲が真っ暗な場所で撮影する場合、モニターを確認してもほぼ真っ暗で構図を確認することが難しいのですが、低照度優先に切り替えると、強制的に感度が上がって写真が明るくなるので、構図を決めるまでの時間を短縮することができます。
他にも、X-T5には最大7.0段のボディ内手ぶれ補正機能が搭載されているので、しっかりとカメラを構えられない場所での撮影や、野鳥など望遠撮影をしていみたいという方にも、手ブレを抑えた解像感の高い写真を撮影することができます。
ファインダー倍率0.8倍、369万ドットの高倍率・高精細な電子ビューファインダーや、操作性の高いダイヤルなど、写真撮影に注力した造りになっているのも特徴です。
重さは、ボディ単体で557g(バッテリー含む)と、少し重めにはなりますが、小型軽量なAPS-Cサイズのレンズと組み合わせて使うことで、トータルではフルサイズカメラのα7C2とより軽く持ち運ぶことができるのも魅力の一つです。
また、FUJIFILMの「Xマウント」用のレンズは、FUJIFILMjの純正のレンズ以外にも、、TAMRONやSIGMAといったレンズ専用メーカーから、星景写真向けのレンズが販売されているので、コストを低く抑え得ることもできます。
欠点としては、FUJIFILMのカメラは人気が高く、在庫が少ないだけに、価格が大きく上下したり、納期が遅くなるということがあります。
中古品であっても流通量が少ないので、新品の価格を超えることも珍しくありません。
X-T5の価格は、約270,000万円となっていますが、この価格についても今後出てくるカメラによって上下することが考えられるので、高値で掴まないように気をつける必要があります。
SIGMA 16mm F1.4 DC DN Contemporary
SIGMA 16mm F1.4 DC DN Contemporaryは、2022年4月にSIGMAから発売された、広角単焦点レンズです。
SIGMAのレンズには、Art、Sports、Contemporaryの3つのプロダクトがありますが、Contemporaryは小型・軽量でありながらコストパフォーマンスの良いカメラのレンズ群となっています。
特徴は、開放F値1.4と明るく、収差が少ない解像度の高い写真が撮れるという点です。
マウント部にゴムシーリングがついた簡易防塵防滴構造となっている点や、67mmのレンズフィルターも取り付けれるのもおすすめするポイントです。
重さが410gと少し重めのレンズですが、X-T5と組み合わせても1kgを切る重さになるので、許容範囲内かと思います。
欠点としては、焦点距離が16mm(35mm版換算24mm)で、星景写真としては少しだけ画角が狭いという点です。
もう少し広い画角で撮影したい場合には、SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | ContemporaryやFUJIFILM XF8mmF3.5 R WRなどのレンズを選択する必要があります。
価格は、約45,000円とF1.4 の大口径レンズとしては、かなりリーズナブルなレンズになるので、X-T5などAPS-Cサイズのカメラで星を撮るなら1本持っておいて損はないレンズです。
SIGMA 10-18mm F2.8 DC DN | Contemporary
10-18mm F2.8 DC DN | Contemporaryは、2023年10月にSIGMAから発売された、広角ズームレンズです。
特徴としては、250gという小型軽量のレンズでありながら、解像感の高いレンズ性能にあります。
APS-C用超広角ズームレンズでは、世界最小最軽量の軽さを持ちながら、全焦点域でF2.8の明るさで撮影できるというのは、少しでも荷物の重さを減らしたい登山においては、アドバンテージが高いレンズになります。
SIGMA 16mm F1.4 DC DN Contemporaryと同じく、マウント部にゴムシーリングがついた簡易防塵防滴構造となっている点や、67mmのレンズフィルターも取り付けれるのもおすすめするポイントです。
もう一つの特徴として、最短撮影距離が11.6cmと短いので、被写体に寄ってワイドな写真を撮ることができるという点です。
そのため、高山植物と背景に山の稜線や雲海を入れるなどダイナミックな写真を撮ることもできます。
価格は、約90,000円とFUJIFILM純正のレンズと比較すると安く購入することができます。
同じようなスペックで、TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXDというレンズも人気があり、重さは335gと10-18mm F2.8 DC DN | Contemporaryと比較すると少し重くなりますが、価格は約70,000円と2万円ほど安くなります。
まとめ:追加情報
ここまで、「登山」と「星景写真」に両方に向いているカメラを3機種と星景写真用のレンズを6本紹介してきましたが、「画質」「重さ」「防塵防滴性能」「予算」などからバランスの良いカメラを選ぶのはとても難しいところです。
私の個人的な見解としては、普段からガチで登山をされていて、それこそ冬山登山や縦走登山もしょっちゅう行かれるという人であれば、OM-5とLEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPHの組み合わせが軽くて、堅牢性や防塵・防滴性能もあるのでおすすめかなと思います。
私のように星の撮影から入って登山をやるようになった人は、α7C2とFE 14mm F1.8 GMの組み合わせが最適になると思いますが、カメラとレンズを揃えようと思うと、40万円以上してしまうので、初心者の方にはハードルが高くなってしまいます。
今回はご紹介していませんが、SONYのZV-E10(約80,000円)というAPS-CサイズのカメラとE 11 mm F1.8(約60,000)というSONYのAPS-C用レンズの組み合わせも、価格や重さで見た場合はおすすめです。
こちらも、2024年中にZV-E10の後継機が発売されると予想されているので、性能的に良さそうであればまたご紹介したいと思います。
それでは、この記事が皆さんの登山や星景写真用のカメラを選ぶ一助となれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。